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楽譜の記号(弦楽器特有の記号)

こんにちは。

前回までに
1、拍子記号
2、臨時記号
3、調号
4、速度記号

について説明してきました。


今回はピアノや管楽器の楽譜には出てこない
記号についてです。



5、弦楽器特有の記号

①ダウンとアップの記号

ヴァイオリンの弓の動かし方は

弓の元から先に向かって動かす
『ダウン(down bow)』又は『下げ弓』

先から元へ動かす
『アップ(up bow)』又は『上げ弓』

大きく分けてこの2つです。


この音をダウンでひいてください
と、いう時はこの記号が使われます。

アップの時はこの記号です。

オーケストラで
全員が同じ方向に弓を動かせるのは、
楽譜にこの記号が書かれているからです。


この記号がついていない音は
ダウンとアップを交互に繰り返します。

これを『弓順でひく』と言います。


この楽譜の場合、
最初の音以外には記号がついていないので
最初の音をダウンでひいた後は弓順です。


全部の音に記号をつけると
こうなります。

全ての音符に記号をつけると
却って楽譜が見にくくなるので、
弓順の場合は
必要な場所以外の記号はつけません。



②スラー

音を切らずに繋げて、なめらかに演奏する
と、いう意味の記号です。


スラーは他の楽器の楽譜にも出てきますが、
弦楽器の楽譜のスラーには
弦楽器特有の意味がプラスされます。


それは
『弓を返さずに演奏する』という意味です。


ダウンとアップの記号がついていない音は
弓順でひくと説明しましたね。

弓をダウンからアップ、アップからダウンに
動きを変えることを
『弓を返す』と言います。

スラーがついている音は弓を返しません。


この楽譜をダウンとアップの記号で表すと
こうなります。


スラーがついている音は全部ダウン、
もしくはアップとなります。


スラーがついている音と
ついていない音では
音の雰囲気が変わります。

楽譜のどの音までスラーがついているのか
よく見て正確に演奏しましょう。



③pizz.とarco

pizz.とはピッツィカートの略で
指で弦をはじいて音を出す奏法

arcoは弓で音を出す奏法のことです。


何も書いていない時は弓を使って演奏し、
楽譜にpizz.という記号が出てきたら
ピッツィカートに切り替えます。

そして、arcoの記号が出てきたら
また弓を使って演奏します。

この楽譜の場合は

1小節目は弓でひく
2小節目は指ではじく
3小節目は弓でひく

と、なります。


この記号に気付くのが遅れると
ピッツィカートと弓の切り替えが
うまくいきません。

pizz.とarcoの記号に印をつけておくと
早い段階で目に入るようになります。
テンポの中でスムーズに切り替えが
できるように準備しておきましょう。



これらの記号は
一つずつなら冷静に読むことができますが、
複合的に出てくると対処が難しくなります。

特にダウンとアップ、スラーは
間違ったまま練習を続けてしまうと
身体が間違ったものを覚えてしまうので
直すのが大変です。


記号の通りに正確に演奏できているかを
確認しながら、
まずはゆっくり練習しましょう!

それでは、また🌸